妄想からおうちハックへ

この投稿は、おうちハック Advent Calendar 2014の4日目です。昨日は、 Kadecot さんのルンバはなぜ可愛いかでした。人間は、なぜルンバに心動かされるのかについて様々な文献を挙げて考察されており、大変刺激を受けました。

身の回りのモノにあれこれと想像を膨らますという試みは、日本では古くから行われてきました。たとえば、日本最古のラノベである古事記には万物には神が宿っている(八百万の神)といった記載があります。おうちハックは、これまで妄想の産物でしかなかったものを現実のものとしていくテクノロジーともいえるでしょう。

2014年8月31日に開催されたおうちハック発表会のまとめにあるように、家の中でずっと使われるものにはいくつか求められる特性があると思います。おうちの中に住人の生活に何らかの形でかかわりを持つ電子的なデバイスを、例えば800個設置するとしましょう。800個あれば、住人の一挙手一投足にフィットした未来的な生活ができそうです。一方、いくつかの問題点が浮き上がってきます。


1.電源

皆さんのお宅にはデバイスを駆動するためのコンセントの口あるいはUSBの口が何個あるでしょうか。800個以上あるご家庭はなかなか少ないのではないでしょうか。数個であれば特に問題にならない(かもしれない)デバイスも数が増えてくると電源を用意するだけでも大変です。また、電源ケーブルの重さが 1本 10g だったとしても、800本あれば 8kg と結構な重さになります。もちろん長さや占める体積も相当なものです。これを解決するためには、ケーブル類をなくせばよいのですが、その方法には、(1)電源がすでに供給されているものに追加で埋め込む(普通の人には難しい)、(2)周囲の環境からエネルギーをとりだして動作する(太陽電池駆動のおもちゃとかありますね)、(3)電池で数年以上動くようにする(壁掛け時計などすでにあるものもあります)、などのアプローチがあります。


2.操作

次に、操作について考えてみましょう。800個のデバイスの操作はどうすればよいでしょうか。もしそれらのデバイスの使い方がすべて異なるとすれば住人にとってその操作を覚えることは苦痛でしかありません。最初は覚えようとするかもしれませんが、すぐに使われなくなってしまいます。これに対応するには、(1)同じ操作で対応できるようにする(バーコードリーダーみたいなもの)、(2)住人の日常の動作を自然にとらえて動作するもの(自動ドアなど)、(3)人間にアプローチするのと同じ手段で対話できるもの(音声認識など)といった方法があります。


3.目的

テクノロジーを中心に考えてしまうと、それをどう使おうかという発想になってしまいがちですが、そもそも、なんでデバイスを置くのでしょうか。筆者の場合は、ミクさんの五感を家の中に張り巡らせることで、ミクさんに常に監視されたいという動機ではじまっています。


詳しくはこちらのスライドをご覧ください。



明日もおうちハック Advent Calendar 2014の枠をいただいたので、上で議論したことを実装するための技術の一例として、TWE-Lite DIP を使ったおうちモニタリングについて実装方法を中心にご紹介したいと思います。